石垣パヤオ釣り紀行~その3~
ガツンッ! 引き込まれるようなアタリと共にクラッチと合わせを入れる。
「間違いない!マグロだ!」
その瞬間グイグイ引き込まれ、これはスゴイい大物だ!そう思った瞬間スウッと軽くなった。あっという間の出来事であった。バラシたのだ。空針だけが虚しく戻ってきた。すかさず仕掛けを投入しようとする。すると隣ではもうすでに3Kほどのマグロが水面まで上がってきていた。井戸さんがすかさず駆けつけマグロを引き抜いた。そして、針をはずしそのマグロを海へポイッ。リリースしたのである。
「わしのまぐろ~が~」隣はとても悔しそうである。そんな複雑な気分を横目に、釣りを再開すると私にも、30Mほど流したところでヒットし、ようやく小さいながらマグロの顔を拝むことができた。リリースしたのだが。
時折、井戸さんが「今、コマセを撒いてっ」と言って多めに撒くときがある。それはきっと、井戸さんには、マグロの群れが分かるのだろう。そのタイミングで撒くと、不思議と皆の竿にマグロがヒットする。なんだか、釣らしてもらっているような感覚だ。なんとしてでも、それだけはつかんで帰りたい。そう思い試行錯誤し、水面を見つめる。
日本海でのフカセ釣りと、このパヤオでの釣りとは同じフカセ釣りでも全く違う。気持ちを切り替える必要がありそうだ。これはサイトフィッシングに限りなく近く、10Mほどでも食ってくる。昼を過ぎ10本近く上げる頃にはコツをつかみ始めた。
やはり、初めに言っていたコマセワークが肝心らしい。水深が1000M以上もあるこの広い海で釣るには、マグロの群れに船の近くまで来てもらう必要があるからだ。回遊だけを狙っていてはものすごく低い確率だろう。イワシを1匹、見えなくなったらまた1匹と、広く深い海に細く長い蜘蛛の糸を作るようなイメージで撒くやり方にした。その蜘蛛の糸が大型の群れを深場から引き込んでくれるような。そんなイメージを常に持ちながら。そこで、エサ取りなどが集まるようならそのままやり過ごし、マグロが見えたら一気に多めに撒く。そうすることによって群れを散らさず、かつピンポイントに狙える。だいぶ釣果が伸び始めた。井戸さんも「コツをつかんだようだね」と言ってくれ、ますます大物への期待がかかる。
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