ウマは旨い!
5月3日の釣行の帰りにはそう言っていた。なぜなら私の大きいクーラーボックスの中にはウマズラハギが2匹だけしか入っていないからだ。そういう事を言っているのは全国できっと私だけだろう。ウマとはウマズラハギという魚の事で、おちょぼ口でエサだけを盗み取り釣り師からは外道扱いされ、どちらかと言うと余り好かれない魚だからだ。(社内では、私の宣伝のおかげで愛好家が急増)
しかし、私はこの魚をメインターゲットとしている。春先の日本海での沖釣り五目だと、だいたいチダイ、ウマズラハギ、メバル、カサゴ、アジ、ソイと釣れる魚は決まっているが、私だけはウマズラハギ狙いである。なぜならこの頃のウマズラハギは越冬し、肝がパンパンにふくらみ身も臭みがなく本カワハギと比べても引けをとらないのだ。そして何よりもサイズがでかい。我が家ではウマズラのキモ和えは春の風物詩となっている。キモ和えだけではない、ちり鍋もフライも最高に旨い。残ったヒレや骨を強く揚げて塩をふり、せんべい風にすると酒の肴にももってこいで、たいそうウマイのである。
・・・しかしである。今年のウマズラハギの成績は散々であった。大雪による雪代の流れ込みで引き起こされる低水温と、日照時間不足のせいで、ただでさえ食いが悪く口を大きく明いてくれないのに、寒暖差が大きく海流が安定せずに潮が早すぎる日が多くコマセで集めた魚が散ってしまうからだ。特にウマズラハギは泳力が弱く浮いてきても速い流れで散ってしまうことが多い。魚探にはそれがはっきり見受けられた。「感度は最高にあるのになあ」そういって惜しむ日吉丸http://www1.kl.mmnet-ai.ne.jp/~yoshimoto/の船頭の姿があった。サイズも例年よりも小型だった。
家に帰り、貴重な一匹を捌く。延髄に骨まで切り込みを入れ、お辞儀させるように折りまげると内臓やキモまでキレイに外れる。ヒレと角と尾びれを切り落とし、皮を引っ張るとつるんと簡単に剥ける。三枚に下ろし、残った中骨はぶつ切りにし、ヒレと共にせんべいにする。キモは内臓から手ではがし取り、醤油に溶かし刺身の漬けダレにする。身は薄皮の方を下にして削ぎ切るようにお造りにする。
何とか、2皿分のお造りが出来た。早速「もっと」と言い息子がねだってくる。また一口、また一口と私の分が無くなっていく。どうやらこの分だと満足が出来るのは来年まで持ち越しのようだ。「今からまた来年が楽しみである。」
